白薔薇と黒薔薇の箱庭
気ままに更新。 気が向いたら自作の物を更新。 北の国の学生さんが送る日常日記。
[PR]
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
無題
愛してるを千回でも一万回でも言ってあげるから
ねぇお願い 目を覚まして
動かぬ君にラブソングを歌おうか
雨が痛い
だけどこの痛みはきっと君がうけている苦しみより
ずっと楽なんだろうね
深い深い山奥
俺達の隊は潜入任務だった。
しかし運悪く敵に見つかってしまった。
たくさんの警報があちこちでうるさいぐらい鳴り始める。
俺達の隊は急いで逃げだした。
「隊長!‥このままでは敵に追いつかれてしまいます!」
「隊長、敵の増援部隊がこちらに向かっています!」
隊員がつげる知らせはどれもよくない物ばかり。
敵の追いつかれるのも時間の問題だった。
「(くそっ‥!このままじゃ全滅してしまう!)」
「‥‥‥。」
いろいろな策を考える俺に一人が声をかけた。
「隊長。」
「どうした、あずみ。」
「私が‥ここに残って足止めをかけます。」
「なっ‥!何を言っているんだあずみ!」
周りの隊員も口々にあずみをとめる。
この絶体絶命な状況で一人で敵と戦うと言うことは、
自殺行為に等しい。
「あずみ、考え直せ。」
「無理です、隊長。」
「死にたいのか。」
「いいえ。」
「ならば、「隊長、貴方が優先するべきなのは一人の命ではなく、隊の全員の命です。」
あずみはきっぱりと言い切った。
一人を犠牲にすれば皆が助かるのだと。
「あずみ、お前はどうするんだ。」
「死なない程度に足止めします。自慢じゃないですけど、逃げ足は速いんですよ。」
にっこり笑ってあずみは隊の一番後ろに立って俺達に背を向けた。
「行け」というあずみの指示。
俺はいくらか離れてから他の隊員たちを先に行かせて、敵がくる方をじっとみつめているあずみを見た。
「あずみ!!」
「なんです、隊長!!」
「かならず、かならず助けにくる!!だからそれまでしっかり生きてろ、これは隊長命令だ!破ったら休暇なしにするからな!!」
あずみは振り向いて親指を立てた。
「隊長もしっかり生きててくださいよ!待ってますから!!」
「ああ!!」
俺は親指を立てて、すぐに隊員たちのところへと走った。
「‥あーあ、京介ったら難しい命令出してくれちゃってさ。
そんなこと言われたら絶対帰らなきゃダメじゃんか。」
あずみは眼前に迫る敵に臆することなく立ちはだかる。
「これ以上は進ませない!さぁ、かかってきなよ!!!」
「隊長、いいのですか。あずみ先輩だけを残すなんて。あずみ先輩は隊長の、」
「いいんだよ。あいつは死なない。」
「‥そうですね。あずみ先輩が死ぬわけありませんよね。」
「あぁ‥‥。」
あいつが死ぬわけないと言い聞かせるように俺は繰り返し心の中でつぶやいた。
「ふぅ‥‥。」
一息ついたあずみの目の前にはたくさんの死体が転がっていた。
「そろそろいいかな‥‥。」
あらかた片づけただろうと立ち上がった時、
ブスッ
何かが刺さる音がした。
「なっ、」
視線をしたに持ってくれば銀色の刃があずみの腹を貫いていた。
ブシュッと音を立てて剣が抜ける。
ふりむけばまだかろうじて生きていたらしい男が笑っていた。
「こ、のやろっ‥‥!」
ズガァン‥‥
一発、銃を発砲して男を殺す。
最後に刺されるとは詰めが甘かったと反省した。
ドクドクと脈を打つのが速い。
出血はだいぶヒドイ。
「ハハ‥、いいところまでいったのになぁ。」
これじゃあ、帰れないじゃないか。
京介に休暇を取り消されちゃうよ。
京介‥‥。
「(あずみ‥‥?)」
嫌な感じがした。
あずみに何かが起きたのだと俺は感じ取った。
「(くそっ、間に合え!)」
さきほど逃げてきた道をさっきよりも速く駆け抜ける。
速く行かないといけないと本能が告げているから。
「どうせ死、ぬなら‥きょ、すけに‥会い‥たかった、な。‥っう゛!!」
ガハッゴホッとむせて口から血が大量に出てくる。
もう、呼吸も苦しい。
「‥‥?」
ふと大きな影がかぶさる。
「あずみ。」
「きょう、す‥け。」
「‥っ。お前こんな!!」
「へへ、ちょっと、詰めが‥あま、かったみた‥い。」
「ばかやろう。」
京介が膝を折ってあずみを抱きかかえた。
「めいれ、やぶ‥ちゃった、よ‥きょうすけ‥、」
「本当に、お前って奴は。」
「ご、めんね。」
「あぁ、早く帰るぞ。」
立ち上がろうとする京介のすそをあずみが引っ張った。
「ま、って。」
「なんだ?」
「おねが、い。さいご、だか‥ら。」
「‥‥‥。」
「い、ちまんか‥愛して‥る‥てい、って、‥。」
精一杯の笑顔で笑うあずみに俺はそのあほらしいやり方を受け入れた。
それでなんとかなるわけなんか無いことは知っていたし、そんな事をしていたら死ぬかもしれないのはわかっていた。
だけど、それであずみが満足するならと俺は思ったんだ。
「あずみ、愛してる。」
「いっか、いめ。」
「愛してる‥‥愛してる。」
「さ、かいめ。へへ‥な、んだか‥て、れちゃう‥な。」
「愛してる‥‥愛してる。」
「ごか‥い。」
「愛してる‥‥愛してる‥‥愛してる‥。」
「は、か‥い。」
「愛してる‥‥愛してる‥‥愛してる‥‥愛してる‥‥。」
「じゅに‥か、い。」
数えていくたびに弱々しくなっていくあずみの声。
涙がこぼれてきた。
「愛してる‥‥愛してる‥‥愛してる‥‥愛してる‥‥愛してる‥‥愛してる‥‥愛してる‥‥愛してる‥‥愛してる‥‥。」
「に、じゅい、ち。」
深い深い森の中で今、貴方から一生分の愛してるを言ってもらってる。
それだけでもう満足だよ。
もうこれ以上貴方とは一緒にいられないけど、たくさんの愛してるをもらったから、きっと大丈夫だよ。
もう、さよならみたいだね、京介。
「愛してる‥‥愛してる‥‥愛してる‥‥愛してる‥‥愛してる‥‥愛してる‥‥愛してる‥‥愛してる‥‥愛してる‥‥。」
「きょ、す‥け。」
「愛してる‥‥愛してる‥‥愛してる‥‥愛してる‥‥愛してる‥‥愛してる‥‥愛してる‥‥愛してる‥‥愛してる‥‥。」
「ありが、とう‥。」
微笑む君の顔が涙で見えない。
いやだ、行かないでくれよ。
「愛してる‥‥愛してる‥‥愛してる‥‥愛してる‥‥。」
あずみの声はもう掠れて聞こえない
だけど口だけが言葉を伝えていた
「私も、ずっと愛してるから。 きょ、う‥すけ‥‥‥。」
「愛してる‥‥愛してる‥‥愛してる‥‥‥。」
「‥‥‥‥。」
ゆっくりとあずみの瞳が閉じられた。
待ってくれよ。まだ、
「まだ、一万回愛してるって言ってねぇよ。」
なぁ、一万回でも一億回でも言ってやるから、
もう一度目を開けてくれよ。
お願いだから もう一度目を声を聞かせてよ‥‥‥
冷たい雨
動かないきみとおれ
ねぇ、残りの「愛してる」は
誰が数えるの?
ねぇお願い 目を覚まして
動かぬ君にラブソングを歌おうか
雨が痛い
だけどこの痛みはきっと君がうけている苦しみより
ずっと楽なんだろうね
深い深い山奥
俺達の隊は潜入任務だった。
しかし運悪く敵に見つかってしまった。
たくさんの警報があちこちでうるさいぐらい鳴り始める。
俺達の隊は急いで逃げだした。
「隊長!‥このままでは敵に追いつかれてしまいます!」
「隊長、敵の増援部隊がこちらに向かっています!」
隊員がつげる知らせはどれもよくない物ばかり。
敵の追いつかれるのも時間の問題だった。
「(くそっ‥!このままじゃ全滅してしまう!)」
「‥‥‥。」
いろいろな策を考える俺に一人が声をかけた。
「隊長。」
「どうした、あずみ。」
「私が‥ここに残って足止めをかけます。」
「なっ‥!何を言っているんだあずみ!」
周りの隊員も口々にあずみをとめる。
この絶体絶命な状況で一人で敵と戦うと言うことは、
自殺行為に等しい。
「あずみ、考え直せ。」
「無理です、隊長。」
「死にたいのか。」
「いいえ。」
「ならば、「隊長、貴方が優先するべきなのは一人の命ではなく、隊の全員の命です。」
あずみはきっぱりと言い切った。
一人を犠牲にすれば皆が助かるのだと。
「あずみ、お前はどうするんだ。」
「死なない程度に足止めします。自慢じゃないですけど、逃げ足は速いんですよ。」
にっこり笑ってあずみは隊の一番後ろに立って俺達に背を向けた。
「行け」というあずみの指示。
俺はいくらか離れてから他の隊員たちを先に行かせて、敵がくる方をじっとみつめているあずみを見た。
「あずみ!!」
「なんです、隊長!!」
「かならず、かならず助けにくる!!だからそれまでしっかり生きてろ、これは隊長命令だ!破ったら休暇なしにするからな!!」
あずみは振り向いて親指を立てた。
「隊長もしっかり生きててくださいよ!待ってますから!!」
「ああ!!」
俺は親指を立てて、すぐに隊員たちのところへと走った。
「‥あーあ、京介ったら難しい命令出してくれちゃってさ。
そんなこと言われたら絶対帰らなきゃダメじゃんか。」
あずみは眼前に迫る敵に臆することなく立ちはだかる。
「これ以上は進ませない!さぁ、かかってきなよ!!!」
「隊長、いいのですか。あずみ先輩だけを残すなんて。あずみ先輩は隊長の、」
「いいんだよ。あいつは死なない。」
「‥そうですね。あずみ先輩が死ぬわけありませんよね。」
「あぁ‥‥。」
あいつが死ぬわけないと言い聞かせるように俺は繰り返し心の中でつぶやいた。
「ふぅ‥‥。」
一息ついたあずみの目の前にはたくさんの死体が転がっていた。
「そろそろいいかな‥‥。」
あらかた片づけただろうと立ち上がった時、
ブスッ
何かが刺さる音がした。
「なっ、」
視線をしたに持ってくれば銀色の刃があずみの腹を貫いていた。
ブシュッと音を立てて剣が抜ける。
ふりむけばまだかろうじて生きていたらしい男が笑っていた。
「こ、のやろっ‥‥!」
ズガァン‥‥
一発、銃を発砲して男を殺す。
最後に刺されるとは詰めが甘かったと反省した。
ドクドクと脈を打つのが速い。
出血はだいぶヒドイ。
「ハハ‥、いいところまでいったのになぁ。」
これじゃあ、帰れないじゃないか。
京介に休暇を取り消されちゃうよ。
京介‥‥。
「(あずみ‥‥?)」
嫌な感じがした。
あずみに何かが起きたのだと俺は感じ取った。
「(くそっ、間に合え!)」
さきほど逃げてきた道をさっきよりも速く駆け抜ける。
速く行かないといけないと本能が告げているから。
「どうせ死、ぬなら‥きょ、すけに‥会い‥たかった、な。‥っう゛!!」
ガハッゴホッとむせて口から血が大量に出てくる。
もう、呼吸も苦しい。
「‥‥?」
ふと大きな影がかぶさる。
「あずみ。」
「きょう、す‥け。」
「‥っ。お前こんな!!」
「へへ、ちょっと、詰めが‥あま、かったみた‥い。」
「ばかやろう。」
京介が膝を折ってあずみを抱きかかえた。
「めいれ、やぶ‥ちゃった、よ‥きょうすけ‥、」
「本当に、お前って奴は。」
「ご、めんね。」
「あぁ、早く帰るぞ。」
立ち上がろうとする京介のすそをあずみが引っ張った。
「ま、って。」
「なんだ?」
「おねが、い。さいご、だか‥ら。」
「‥‥‥。」
「い、ちまんか‥愛して‥る‥てい、って、‥。」
精一杯の笑顔で笑うあずみに俺はそのあほらしいやり方を受け入れた。
それでなんとかなるわけなんか無いことは知っていたし、そんな事をしていたら死ぬかもしれないのはわかっていた。
だけど、それであずみが満足するならと俺は思ったんだ。
「あずみ、愛してる。」
「いっか、いめ。」
「愛してる‥‥愛してる。」
「さ、かいめ。へへ‥な、んだか‥て、れちゃう‥な。」
「愛してる‥‥愛してる。」
「ごか‥い。」
「愛してる‥‥愛してる‥‥愛してる‥。」
「は、か‥い。」
「愛してる‥‥愛してる‥‥愛してる‥‥愛してる‥‥。」
「じゅに‥か、い。」
数えていくたびに弱々しくなっていくあずみの声。
涙がこぼれてきた。
「愛してる‥‥愛してる‥‥愛してる‥‥愛してる‥‥愛してる‥‥愛してる‥‥愛してる‥‥愛してる‥‥愛してる‥‥。」
「に、じゅい、ち。」
深い深い森の中で今、貴方から一生分の愛してるを言ってもらってる。
それだけでもう満足だよ。
もうこれ以上貴方とは一緒にいられないけど、たくさんの愛してるをもらったから、きっと大丈夫だよ。
もう、さよならみたいだね、京介。
「愛してる‥‥愛してる‥‥愛してる‥‥愛してる‥‥愛してる‥‥愛してる‥‥愛してる‥‥愛してる‥‥愛してる‥‥。」
「きょ、す‥け。」
「愛してる‥‥愛してる‥‥愛してる‥‥愛してる‥‥愛してる‥‥愛してる‥‥愛してる‥‥愛してる‥‥愛してる‥‥。」
「ありが、とう‥。」
微笑む君の顔が涙で見えない。
いやだ、行かないでくれよ。
「愛してる‥‥愛してる‥‥愛してる‥‥愛してる‥‥。」
あずみの声はもう掠れて聞こえない
だけど口だけが言葉を伝えていた
「私も、ずっと愛してるから。 きょ、う‥すけ‥‥‥。」
「愛してる‥‥愛してる‥‥愛してる‥‥‥。」
「‥‥‥‥。」
ゆっくりとあずみの瞳が閉じられた。
待ってくれよ。まだ、
「まだ、一万回愛してるって言ってねぇよ。」
なぁ、一万回でも一億回でも言ってやるから、
もう一度目を開けてくれよ。
お願いだから もう一度目を声を聞かせてよ‥‥‥
冷たい雨
動かないきみとおれ
ねぇ、残りの「愛してる」は
誰が数えるの?
PR
突発的な主人公独白小説。
冷たい鉄の塊と鼻につく火薬の臭い、むせ返る血の臭い
僕はその中で生きている
Cried And Cried
いつからこの戦争は始まったんだろう
僕が小さい頃から始まっていた気がする
いや、もっと前からかもしれない
僕のお父さんのお祖父ちゃんのそのまたうえのお祖父ちゃんからかもしれない
あたりはすべて焼け野原
全部爆弾で焼けてなくなった
きれいな花も青々とした草もすべて焼けた
どこからか泣き声が聞こえてくる
お母さんを探す子供の声
そういえば僕のお母さんはどこだろう
知らないうちにみんなどこかに消えていく
お母さんも消えちゃったのかなぁ
大きい音がして顔を上げれば
戦闘機が空を飛んでいる
周りのみんなが慌てて逃げ出す
僕もがれきに近くに隠れた
撃ち落とされる弾丸が
掃除でもするかのように
あらゆるものを破壊していく
逃げ遅れた人も何も知らずに泣いている子供も
容赦なく撃ち殺していく
戦闘機が去って
隠れていた人々が顔を出す
そして撃ち殺された人々に手を合わせる
助けられない自分と戦闘機を恨みながら‥
長い長い戦争
きっかけは全部お偉いさん方がつくったのに
血を流して死んでいくのは僕たち
ねぇどうして僕らは死ななくちゃいけないんですか?
ねぇどうしてあなた達は誰よりも安全なところにいるのですか?
ねぇどうしてあなた達は戦場に行かないんですか?
親を失って泣く子供
自分が生きていくために泣きながら娘を殺す親
国のためと銃を持たされて無理矢理連れて行かれる男たち
息子の位牌を抱きながら声を押し殺して、人に隠れて泣く母親
みんなが泣いているのは誰の所為ですか?
英雄という名の殺人鬼
正義という幻
どんなに綺麗な言葉で隠しても真実は消えない
たくさんの血と涙を流した勝利になんの価値があるのだろう
多くの命を犠牲にして誰が喜ぶのだろう
消えるものはたくさんあるのに得られるものは
あまりにもくだらないものばかり
ねぇ 聞こえますか?大切な人を失った泣き声が
ねぇ 聞こえますか?流れていく涙の音が
ねぇ 聞こえますか?武器を持つ兵士の悲痛な叫びが
冷たい鉄の塊と鼻につく火薬の臭い、むせ返る血の臭い
爆撃の中で聞こえる人々の悲鳴
いつ地面に転がっている彼らになるかわからない毎日
僕はその中で終わりがくることを祈りながら生きている
僕はその中で生きている
Cried And Cried
いつからこの戦争は始まったんだろう
僕が小さい頃から始まっていた気がする
いや、もっと前からかもしれない
僕のお父さんのお祖父ちゃんのそのまたうえのお祖父ちゃんからかもしれない
あたりはすべて焼け野原
全部爆弾で焼けてなくなった
きれいな花も青々とした草もすべて焼けた
どこからか泣き声が聞こえてくる
お母さんを探す子供の声
そういえば僕のお母さんはどこだろう
知らないうちにみんなどこかに消えていく
お母さんも消えちゃったのかなぁ
大きい音がして顔を上げれば
戦闘機が空を飛んでいる
周りのみんなが慌てて逃げ出す
僕もがれきに近くに隠れた
撃ち落とされる弾丸が
掃除でもするかのように
あらゆるものを破壊していく
逃げ遅れた人も何も知らずに泣いている子供も
容赦なく撃ち殺していく
戦闘機が去って
隠れていた人々が顔を出す
そして撃ち殺された人々に手を合わせる
助けられない自分と戦闘機を恨みながら‥
長い長い戦争
きっかけは全部お偉いさん方がつくったのに
血を流して死んでいくのは僕たち
ねぇどうして僕らは死ななくちゃいけないんですか?
ねぇどうしてあなた達は誰よりも安全なところにいるのですか?
ねぇどうしてあなた達は戦場に行かないんですか?
親を失って泣く子供
自分が生きていくために泣きながら娘を殺す親
国のためと銃を持たされて無理矢理連れて行かれる男たち
息子の位牌を抱きながら声を押し殺して、人に隠れて泣く母親
みんなが泣いているのは誰の所為ですか?
英雄という名の殺人鬼
正義という幻
どんなに綺麗な言葉で隠しても真実は消えない
たくさんの血と涙を流した勝利になんの価値があるのだろう
多くの命を犠牲にして誰が喜ぶのだろう
消えるものはたくさんあるのに得られるものは
あまりにもくだらないものばかり
ねぇ 聞こえますか?大切な人を失った泣き声が
ねぇ 聞こえますか?流れていく涙の音が
ねぇ 聞こえますか?武器を持つ兵士の悲痛な叫びが
冷たい鉄の塊と鼻につく火薬の臭い、むせ返る血の臭い
爆撃の中で聞こえる人々の悲鳴
いつ地面に転がっている彼らになるかわからない毎日
僕はその中で終わりがくることを祈りながら生きている
※cried and cried ‥口語訳:ただひたすらに泣いた
ストーカー話。身近な人に追いつめられてください。
捕らえらた 蝶は 逃げることなどできなくなった
落ちて墜ちて堕ちる
「(‥‥まただ。また誰かがついてきている。)」
志保はコンクリートを歩くスピードを速めた。
一定の距離をつかず離れずついてくる『誰か』。
どんなにスピードを上げてもついてくる『誰か』は志保の悩みの種だった。
フッと、ついてくる気配が消えたので顔を上げてみれば自分の家の前だった。
いつもこうだ志保の家に着くと『誰か』は必ず消える。
はぁと深くため息を吐いて家の扉を開けた。
次の日
いつものように学校に行き、教室に入る。
志保の席の隣では幼なじみの哲弥が本を読んでいた。
「おはよう哲。・・[悪と愛の関係]・・ずいぶん難しそうな本を読んでるね。」
「あぁ、おはよう志保。これかい?そんなに難しくはないよ。なかなかおもしろい本だ。読むか?」
「遠慮しとくわ。だって哲の【難しい】と私の【難しい】ってだいぶ違うんだもん。」
カバンからものを取り出して机にしまいながら、ハァとため息をつく。
哲弥は本にしおりをはさんで志保のほうを見た。
「また『誰か』か?」
「うん‥‥‥。」
志保がストーカーに遭っていることを知っている哲弥はなにかと志保を励ましていて、志保はそんな哲弥を心の支えにしていた。
「もう、ヤダ。」
「志保‥。」
毎日誰かによって見られているという恐怖に志保はストレスを感じていた。
日に日に蝕んでいく恐怖は志保をさらに傷つけていく。
志保はぼろぼろだった。
「もうヤダよぉ‥‥。」
「志保、大丈夫だ。俺がついてるから。」
「ひっ‥ぐ‥うぅ‥。」
泣き出す志保を哲弥は背中をさすりながらなぐさめた。
「‥‥よし、今日の夜にそいつを捕まえようぜ。」
「ふぇ?」
「だから捕まえるんだよ。『誰か』をさ!」
そうすればもう志保が泣くことはないだろ?と笑う哲弥。
志保は解決の糸口を見つけたことに心が温かくなるのを感じていた。
夜
哲弥の指示通りに公園の近くでぽつりと電灯に照らされながら立っていた。
「(哲弥、遅いなぁ)」
キョロキョロと辺りを見回しても哲弥の姿は見えない。
しかし今は夜なのだから見えなくても仕方がないと、志保は諦めた。
そのとき
コツコツコツ‥‥‥
足音が響いた。
ゆっくり近づいてくる足音はいつもついてくる『誰か』のものとそっくりだった。
「(そんな!哲弥が来る前にきちゃうなんて!!)」
志保は焦って隠れる場所を探す。
しかしこの公園は隠れられるようなものはなく、志保はさらに焦った。
「(どうしよう!!)」
わたわたとしていたとき、ちょうど花壇を見つけた。
志保は急いでその後ろに回った。
ひょこりと少しだけ顔をのぞかせれば公園に誰かが入ってきた。
暗いので顔はわからない。
公園をいくらか見渡したその人物は志保のいる花壇に真っ直ぐ向かってきた。
「(なんでこっちにくるの!?どうしよう逃げられない)」
バクバクと志保の心臓が激しく動く。
ゆっくりと歩いてくる人物。
サク‥サク‥
ガタガタと震える体。
呼吸も思うようにできない。
迫りくる人影
サク‥サク‥
志保はギュッと目をつぶった。
「志保‥‥?」
名前を呼ばれて顔を上げた。
「て、つ‥‥。」
電灯に照らされた哲弥がそこにいた。
「やっと見つけた。待ち合わせ場所に志保がいないんだもんなぁ。びっくりしたよ。」
「私もびっくりした。」
「‥‥なんで?」
「あそこで哲を待ってたんだけど、『誰か』の足音がして急いで隠れたの。もうすごく怖かったんだから。」
「どうして『誰か』の足音だってわかったの?」
「哲には言ったこと無かったっけ?私ね、足音が聞き分けられるの。絶対に間違ったりしないから、それでね。」
哲に会えた安心から、激しく動いていた心臓も落ち着いてきた。
志保はふぅと深呼吸をしてもう一度哲弥を見た。
哲弥はふぅとため息を吐いた。
「計算外だよ‥‥。」
「哲?」
「まさか志保にそんな特技があっただなんてね。」
「ねぇどうしたの哲‥‥。」
哲弥の様子がおかしい。
志保は哲弥の言葉に疑問を持った。
「(計算外?‥‥‥どういうこと?)」
志保の特技を計算外だとつぶやいた哲弥。
待ち合わせに遅れてきた哲弥。
『誰か』と足音が一緒だった哲弥‥‥。
「‥‥!!」
志保が哲弥から距離をとろうとして離れる。
「逃がさない‥‥。」
しかし哲弥に腕を捕まれてしまった。
「離して!」
「やっとつかまえた。」
暴れる志保を押さえつけて薬品のしみこんだハンカチを志保の鼻に当てる。
「即効性の睡眠薬だ。」
「ふがっ!‥‥んん!‥‥‥‥。」
ばたりと志保の手が哲弥から滑り落ちる。
眠ってしまった志保を抱きかかえて哲弥は歩き出した。
「最後の最後で志保にはばれちゃったけど、なんとか捕まえられたよ。それにしても予想外だったな。まさか足音を聞き分けられるなんてね。」
にこりと嬉しそうに笑って志保を見る。
そして耳元でそっとつぶやいた。
「志保はもう逃げられないよ‥‥‥。ずっと一緒にいようね。‥‥‥‥フフフフフ。」
捕まえられた蝶はもう逃げられない。
もう空を見ることなどできない。
檻の中で主人に愛をつぶやくことしか許されないのだから。
さぁ志保、俺と共に落ちて墜ちて堕ちよう?
落ちて墜ちて堕ちる
「(‥‥まただ。また誰かがついてきている。)」
志保はコンクリートを歩くスピードを速めた。
一定の距離をつかず離れずついてくる『誰か』。
どんなにスピードを上げてもついてくる『誰か』は志保の悩みの種だった。
フッと、ついてくる気配が消えたので顔を上げてみれば自分の家の前だった。
いつもこうだ志保の家に着くと『誰か』は必ず消える。
はぁと深くため息を吐いて家の扉を開けた。
次の日
いつものように学校に行き、教室に入る。
志保の席の隣では幼なじみの哲弥が本を読んでいた。
「おはよう哲。・・[悪と愛の関係]・・ずいぶん難しそうな本を読んでるね。」
「あぁ、おはよう志保。これかい?そんなに難しくはないよ。なかなかおもしろい本だ。読むか?」
「遠慮しとくわ。だって哲の【難しい】と私の【難しい】ってだいぶ違うんだもん。」
カバンからものを取り出して机にしまいながら、ハァとため息をつく。
哲弥は本にしおりをはさんで志保のほうを見た。
「また『誰か』か?」
「うん‥‥‥。」
志保がストーカーに遭っていることを知っている哲弥はなにかと志保を励ましていて、志保はそんな哲弥を心の支えにしていた。
「もう、ヤダ。」
「志保‥。」
毎日誰かによって見られているという恐怖に志保はストレスを感じていた。
日に日に蝕んでいく恐怖は志保をさらに傷つけていく。
志保はぼろぼろだった。
「もうヤダよぉ‥‥。」
「志保、大丈夫だ。俺がついてるから。」
「ひっ‥ぐ‥うぅ‥。」
泣き出す志保を哲弥は背中をさすりながらなぐさめた。
「‥‥よし、今日の夜にそいつを捕まえようぜ。」
「ふぇ?」
「だから捕まえるんだよ。『誰か』をさ!」
そうすればもう志保が泣くことはないだろ?と笑う哲弥。
志保は解決の糸口を見つけたことに心が温かくなるのを感じていた。
夜
哲弥の指示通りに公園の近くでぽつりと電灯に照らされながら立っていた。
「(哲弥、遅いなぁ)」
キョロキョロと辺りを見回しても哲弥の姿は見えない。
しかし今は夜なのだから見えなくても仕方がないと、志保は諦めた。
そのとき
コツコツコツ‥‥‥
足音が響いた。
ゆっくり近づいてくる足音はいつもついてくる『誰か』のものとそっくりだった。
「(そんな!哲弥が来る前にきちゃうなんて!!)」
志保は焦って隠れる場所を探す。
しかしこの公園は隠れられるようなものはなく、志保はさらに焦った。
「(どうしよう!!)」
わたわたとしていたとき、ちょうど花壇を見つけた。
志保は急いでその後ろに回った。
ひょこりと少しだけ顔をのぞかせれば公園に誰かが入ってきた。
暗いので顔はわからない。
公園をいくらか見渡したその人物は志保のいる花壇に真っ直ぐ向かってきた。
「(なんでこっちにくるの!?どうしよう逃げられない)」
バクバクと志保の心臓が激しく動く。
ゆっくりと歩いてくる人物。
サク‥サク‥
ガタガタと震える体。
呼吸も思うようにできない。
迫りくる人影
サク‥サク‥
志保はギュッと目をつぶった。
「志保‥‥?」
名前を呼ばれて顔を上げた。
「て、つ‥‥。」
電灯に照らされた哲弥がそこにいた。
「やっと見つけた。待ち合わせ場所に志保がいないんだもんなぁ。びっくりしたよ。」
「私もびっくりした。」
「‥‥なんで?」
「あそこで哲を待ってたんだけど、『誰か』の足音がして急いで隠れたの。もうすごく怖かったんだから。」
「どうして『誰か』の足音だってわかったの?」
「哲には言ったこと無かったっけ?私ね、足音が聞き分けられるの。絶対に間違ったりしないから、それでね。」
哲に会えた安心から、激しく動いていた心臓も落ち着いてきた。
志保はふぅと深呼吸をしてもう一度哲弥を見た。
哲弥はふぅとため息を吐いた。
「計算外だよ‥‥。」
「哲?」
「まさか志保にそんな特技があっただなんてね。」
「ねぇどうしたの哲‥‥。」
哲弥の様子がおかしい。
志保は哲弥の言葉に疑問を持った。
「(計算外?‥‥‥どういうこと?)」
志保の特技を計算外だとつぶやいた哲弥。
待ち合わせに遅れてきた哲弥。
『誰か』と足音が一緒だった哲弥‥‥。
「‥‥!!」
志保が哲弥から距離をとろうとして離れる。
「逃がさない‥‥。」
しかし哲弥に腕を捕まれてしまった。
「離して!」
「やっとつかまえた。」
暴れる志保を押さえつけて薬品のしみこんだハンカチを志保の鼻に当てる。
「即効性の睡眠薬だ。」
「ふがっ!‥‥んん!‥‥‥‥。」
ばたりと志保の手が哲弥から滑り落ちる。
眠ってしまった志保を抱きかかえて哲弥は歩き出した。
「最後の最後で志保にはばれちゃったけど、なんとか捕まえられたよ。それにしても予想外だったな。まさか足音を聞き分けられるなんてね。」
にこりと嬉しそうに笑って志保を見る。
そして耳元でそっとつぶやいた。
「志保はもう逃げられないよ‥‥‥。ずっと一緒にいようね。‥‥‥‥フフフフフ。」
捕まえられた蝶はもう逃げられない。
もう空を見ることなどできない。
檻の中で主人に愛をつぶやくことしか許されないのだから。
さぁ志保、俺と共に落ちて墜ちて堕ちよう?
END
無題
妖しい舞曲に身をゆだねて
今宵は踊り狂おうか
この身が朽ちようと
踊り狂おうか
たとえ行きつく未来が
永劫の闇だとしても
狂い桜に恋をして
危ないとわかっていても人は、
手を出さずにはいられない。
それが運命なのだから‥。
多くのシャンデリアが吊るされたダンスホール。
華麗な舞曲が人々を踊らせる場所。
華やかなそこで 俺は人の皮を被った 悪魔 に出会った。
黒いシンプルなドレスを優雅にそして華やかに着こなした女が、一人で壁にもたれかかりながら、真珠のような肌の手でグラスを弄んでいた。
顔は遠くから見ても非の打ち所のないほど整っているのに、彼女の雰囲気の所為だろうか、誰も彼女に近づこうとしない。
それはまるで、みんな彼女が見えていないかのようだった。
男は誘われるようにして女に近づく。
だが男は気づいていなかった、女が近づいてくる男を見て不敵な笑みをしていたことに‥。
「今宵の生け贄は決まった。さぁ、遊ぼうよ。その身朽ちるまで弄ぼう。」
「君のような美しい女性がこんなところで暇をしているなんて、感心しないね。」
女の手を取って口説き文句を口に出す。
普通の女なら嬉しそう可愛らしく笑うか、男に見惚れる、しかしこの女は違った。
紅い唇に弧を描き、妖しく 笑った。
「貴方なら退屈させないのかしら?」
艶やかに 笑った。
その瞳を見てはいけない
その微笑みに魅了されてはいけない
その声に聞き惚れてはいけない
取込まれたら最後、抜け出すことなど 叶わないのだから
今宵は踊り狂おうか
この身が朽ちようと
踊り狂おうか
たとえ行きつく未来が
永劫の闇だとしても
狂い桜に恋をして
危ないとわかっていても人は、
手を出さずにはいられない。
それが運命なのだから‥。
多くのシャンデリアが吊るされたダンスホール。
華麗な舞曲が人々を踊らせる場所。
華やかなそこで 俺は人の皮を被った 悪魔 に出会った。
黒いシンプルなドレスを優雅にそして華やかに着こなした女が、一人で壁にもたれかかりながら、真珠のような肌の手でグラスを弄んでいた。
顔は遠くから見ても非の打ち所のないほど整っているのに、彼女の雰囲気の所為だろうか、誰も彼女に近づこうとしない。
それはまるで、みんな彼女が見えていないかのようだった。
男は誘われるようにして女に近づく。
だが男は気づいていなかった、女が近づいてくる男を見て不敵な笑みをしていたことに‥。
「今宵の生け贄は決まった。さぁ、遊ぼうよ。その身朽ちるまで弄ぼう。」
「君のような美しい女性がこんなところで暇をしているなんて、感心しないね。」
女の手を取って口説き文句を口に出す。
普通の女なら嬉しそう可愛らしく笑うか、男に見惚れる、しかしこの女は違った。
紅い唇に弧を描き、妖しく 笑った。
「貴方なら退屈させないのかしら?」
艶やかに 笑った。
その瞳を見てはいけない
その微笑みに魅了されてはいけない
その声に聞き惚れてはいけない
取込まれたら最後、抜け出すことなど 叶わないのだから
coming soon………
幼なじみって良いようで悪いようで・・
最も嬉しい位置のようで
一番距離のあるところ
一番近くて 一番遠い位置
「俺はお前が笑っていられれば、それでいいんだ・・。」
一人の男が四角い画面の向こうでカッコイイことを言っている。
[お隣さんとの恋物語]と題されたDVDの主人公だ。
俺は主人公トムの感動シーンを見ながらポップコーンを食べている。
さて、なぜ俺がこんなラブロマンスを見ているか、というと
俺が隣の家の奴に惚れたからだ。
つまり、幼なじみに恋をしたわけだ。
ガキの頃から一緒にいて
毎日遊んでいたあいつは
知らないうちに「女」になっていた。
不覚にも俺はあいつの「女」の瞬間にドキッとしてしまったんだ。
それからなんとなくそれを意識しちまって、
俺はあいつに話しかけられなくなっていた。
それでこれを見て、少し勉強しようとした。
うん、明日このトムのセリフを言ってみよう。
次の日に
「あんたは良いお兄ちゃんだよね。」
とあいつに言われてショックをうけるのは、また別の話・・。
一番距離のあるところ
一番近くて 一番遠い位置
「俺はお前が笑っていられれば、それでいいんだ・・。」
一人の男が四角い画面の向こうでカッコイイことを言っている。
[お隣さんとの恋物語]と題されたDVDの主人公だ。
俺は主人公トムの感動シーンを見ながらポップコーンを食べている。
さて、なぜ俺がこんなラブロマンスを見ているか、というと
俺が隣の家の奴に惚れたからだ。
つまり、幼なじみに恋をしたわけだ。
ガキの頃から一緒にいて
毎日遊んでいたあいつは
知らないうちに「女」になっていた。
不覚にも俺はあいつの「女」の瞬間にドキッとしてしまったんだ。
それからなんとなくそれを意識しちまって、
俺はあいつに話しかけられなくなっていた。
それでこれを見て、少し勉強しようとした。
うん、明日このトムのセリフを言ってみよう。
次の日に
「あんたは良いお兄ちゃんだよね。」
とあいつに言われてショックをうけるのは、また別の話・・。
某切り裂き王子を見て思いついた話 後編
あいつを見つけるのは至極簡単だった。
そしてナイフで一発。
心臓を狙ったそれは簡単にあいつに刺さって、
返り血が俺を染めた。
動かなくなったあいつになんだか俺の怒りも冷めていた。
むしろ、「それ」になったあいつを見て、涙が出た。
うざってぇあいつを、俺をむしゃくしゃさせるあいつを殺して
スッキリしたはずなのに 悲しかった。
心に穴が空いた気がした。
「ワケわかんねぇし。」
熱も怒りも冷めちまった俺はそのまま屋敷に帰った。
「また誰かを殺してきたんだ。」
屋敷のリビングにある赤いソファに座っている男が
雑誌から目を離さずに俺にそう言った。
俺は別に気にするこなく、さっきのことを話した。
「スンゲーうぜぇ女がいたんだよ。
そいつを思い出すたびにさ、
体が熱くなって
息が苦しくなって
スンゲーイライラすんの。
だから殺しちゃった。
・・でもさ、なんか悲しいんだよね。
心に穴が空いたっつうかさ。」
「・・・ふぅん。」
「なんか疲れた。もう寝るわ。」
部屋を出て行った青年の後ろ姿を男はずっと見ていた。
そして男はつぶやいた。
「・・・君がそんな風にイライラしたのは、
君が殺した女に惚れていたからだよ。
心に穴が空いたのも、
君が彼女に惚れていたからさ。
でも、君は一生わからないだろうね。」
男はただ静かに つぶやいていた 青年に語りかけるように
恋を知らない青年が恋をした
でもそれは 恋とわかる前に終わったんだ
恋を知らない青年がむやみやたらに切り裂いてしまったから
恋を知らない青年は 失ったことさえも
わからない
青年がそれに気付いた時には
遅すぎるんだ
そしてナイフで一発。
心臓を狙ったそれは簡単にあいつに刺さって、
返り血が俺を染めた。
動かなくなったあいつになんだか俺の怒りも冷めていた。
むしろ、「それ」になったあいつを見て、涙が出た。
うざってぇあいつを、俺をむしゃくしゃさせるあいつを殺して
スッキリしたはずなのに 悲しかった。
心に穴が空いた気がした。
「ワケわかんねぇし。」
熱も怒りも冷めちまった俺はそのまま屋敷に帰った。
「また誰かを殺してきたんだ。」
屋敷のリビングにある赤いソファに座っている男が
雑誌から目を離さずに俺にそう言った。
俺は別に気にするこなく、さっきのことを話した。
「スンゲーうぜぇ女がいたんだよ。
そいつを思い出すたびにさ、
体が熱くなって
息が苦しくなって
スンゲーイライラすんの。
だから殺しちゃった。
・・でもさ、なんか悲しいんだよね。
心に穴が空いたっつうかさ。」
「・・・ふぅん。」
「なんか疲れた。もう寝るわ。」
部屋を出て行った青年の後ろ姿を男はずっと見ていた。
そして男はつぶやいた。
「・・・君がそんな風にイライラしたのは、
君が殺した女に惚れていたからだよ。
心に穴が空いたのも、
君が彼女に惚れていたからさ。
でも、君は一生わからないだろうね。」
男はただ静かに つぶやいていた 青年に語りかけるように
恋を知らない青年が恋をした
でもそれは 恋とわかる前に終わったんだ
恋を知らない青年がむやみやたらに切り裂いてしまったから
恋を知らない青年は 失ったことさえも
わからない
青年がそれに気付いた時には
遅すぎるんだ
某切り裂き王子を見て思いついた話 前編
なぁ、お前がいなくなったら
このワケわかんねー気持ちも
なくなるかな?
失った時には too late
~前編~
屋敷にいても仲間の奴らは皆、仕事に行ってたから
暇でしょ-がなくて散歩に行ってみた。
そして、久しぶりに来た町で俺はあの時お前に会った。
チンピラにからまれていたお前は
今にも泣きそうだったけど、
町の奴らは見て見ぬふりを決め込んでいて、
誰もお前を助けようとしなかった。
俺もそのつもりだった。
だけど、なんでか気づいたときにはチンピラは
俺の足下で這いつくばっていた。
「(俺、何してんの?)」
「あ、あの・・」
呆然としていた俺はお前の声で我に返った。
振り向いた俺にお前はフワリと笑って
「ありがとう」
そう言った。
俺はその笑顔に鼓動が速くなるのを感じていた。
それから屋敷に帰るまであいつの笑顔が頭から離れなくて
思い出すたびに息が苦しくなってイライラした。
屋敷に帰ってからもスンゲーイライラしてて、
むしゃくしゃして、使用人の一人をぶっ殺した。
俺の手が真っ赤に染まったのを見て、なんか落ち着いた。
そして思った。
あいつもこれみたいにぶっ殺したら、
このイライラもおさまるんじゃねぇのってさ。
俺は自分のナイフを持って暗闇に紛れた。
このワケわかんねー気持ちも
なくなるかな?
失った時には too late
~前編~
屋敷にいても仲間の奴らは皆、仕事に行ってたから
暇でしょ-がなくて散歩に行ってみた。
そして、久しぶりに来た町で俺はあの時お前に会った。
チンピラにからまれていたお前は
今にも泣きそうだったけど、
町の奴らは見て見ぬふりを決め込んでいて、
誰もお前を助けようとしなかった。
俺もそのつもりだった。
だけど、なんでか気づいたときにはチンピラは
俺の足下で這いつくばっていた。
「(俺、何してんの?)」
「あ、あの・・」
呆然としていた俺はお前の声で我に返った。
振り向いた俺にお前はフワリと笑って
「ありがとう」
そう言った。
俺はその笑顔に鼓動が速くなるのを感じていた。
それから屋敷に帰るまであいつの笑顔が頭から離れなくて
思い出すたびに息が苦しくなってイライラした。
屋敷に帰ってからもスンゲーイライラしてて、
むしゃくしゃして、使用人の一人をぶっ殺した。
俺の手が真っ赤に染まったのを見て、なんか落ち着いた。
そして思った。
あいつもこれみたいにぶっ殺したら、
このイライラもおさまるんじゃねぇのってさ。
俺は自分のナイフを持って暗闇に紛れた。
夏はいろいろ暑い季節
なんとなく、ちょっとした遊びのつもりだった。
真夏の太陽と恋
今年もこの時期がくる。
いつまでも踊りあかして遊んでいたいこの季節が・・。
やりたいことはいっぱいある。
海に行って、カラオケに行って、 たくさん遊びたい。
でもその前に彼女が欲しかった。
夏だけ俺の彼女をしてくれる女の子が欲しかった。
俺は適当なクラスの女子を選んだ。
あいつになったのは偶然だった。
放課後にそれとなくあいつを呼び出して「つきあってくれ」と、告白した。
あいつは真っ赤になって俯いて消えそうな声で
「いいよ。」
ただ一言、でもはっきりとそう言った。
そのとき俺はなぜか真っ赤になっているあいつを可愛いと思った。
それからすぐに学生達が待っていた夏休みが来た。
俺とあいつは毎日遊んで、海に行って、カラオケに行った。
最初は今までつきあっていた女達みたいに接していた。
でもだんだんホントの俺を出していた。
なにをしてもあいつが可愛く見えた。
いつのまにかあいつを好きになっていた。
あいつに本気で恋をしていた。
「なぁ、」
「なに?」
砂浜により添う二人。
海岸には二人だけ。
空には月と空だけ。
「俺さ、お前に告白したとき遊び気分だった。」
「うん、知ってる。」
「(えぇ!?)」
「・・・嘘にきまってんじゃん。」
ホッと、安心したようにため息を吐く俺を、
あいつはクスクスと笑う。
「でもさ・・・・、」
振り向いてあいつを見つめる。
あいつの瞳に俺が映っていた
「俺、今さ、本気だから、
だから、
だからこれからも一緒にいてくれよ。」
夏休みも最終日
明日でこの夏も終わる、でもあいつとはこの夏が終わっても一緒にいたかった。夏だけの関係は嫌だった。
「・・・当たり前
離れろって言っても離れないから。」
悪戯っぽくあいつが笑う。
「俺も、離せって言っても離してやんねぇから。」
ギュッとあいつを抱きしめて耳元で囁く
「愛してる。」
あいつにだけ伝える想い
「そんなこと、知ってる。」
生意気に返してきたあいつを横目で見たら耳が真っ赤だった。
だけど今の俺もこいつに負けないぐらい真っ赤だと思う。
遊びだったはずが本気になってた。
あの時あいつを選んだのは必然だったのかもしれないと今頃思う。
夏が終わって秋が来て・・、そうしてまたこの時期が来た。
真夏の太陽と恋が激しく燃え上がるこの時期が・・。
俺は今年も海に行って、カラオケに行って、たくさん遊びたい。
そういうところは変わってないんだ。でもただひとつ今年は、彼女はいらない。
だって、隣にはあいつがいるから。
真夏の太陽と恋
今年もこの時期がくる。
いつまでも踊りあかして遊んでいたいこの季節が・・。
やりたいことはいっぱいある。
海に行って、カラオケに行って、 たくさん遊びたい。
でもその前に彼女が欲しかった。
夏だけ俺の彼女をしてくれる女の子が欲しかった。
俺は適当なクラスの女子を選んだ。
あいつになったのは偶然だった。
放課後にそれとなくあいつを呼び出して「つきあってくれ」と、告白した。
あいつは真っ赤になって俯いて消えそうな声で
「いいよ。」
ただ一言、でもはっきりとそう言った。
そのとき俺はなぜか真っ赤になっているあいつを可愛いと思った。
それからすぐに学生達が待っていた夏休みが来た。
俺とあいつは毎日遊んで、海に行って、カラオケに行った。
最初は今までつきあっていた女達みたいに接していた。
でもだんだんホントの俺を出していた。
なにをしてもあいつが可愛く見えた。
いつのまにかあいつを好きになっていた。
あいつに本気で恋をしていた。
「なぁ、」
「なに?」
砂浜により添う二人。
海岸には二人だけ。
空には月と空だけ。
「俺さ、お前に告白したとき遊び気分だった。」
「うん、知ってる。」
「(えぇ!?)」
「・・・嘘にきまってんじゃん。」
ホッと、安心したようにため息を吐く俺を、
あいつはクスクスと笑う。
「でもさ・・・・、」
振り向いてあいつを見つめる。
あいつの瞳に俺が映っていた
「俺、今さ、本気だから、
だから、
だからこれからも一緒にいてくれよ。」
夏休みも最終日
明日でこの夏も終わる、でもあいつとはこの夏が終わっても一緒にいたかった。夏だけの関係は嫌だった。
「・・・当たり前
離れろって言っても離れないから。」
悪戯っぽくあいつが笑う。
「俺も、離せって言っても離してやんねぇから。」
ギュッとあいつを抱きしめて耳元で囁く
「愛してる。」
あいつにだけ伝える想い
「そんなこと、知ってる。」
生意気に返してきたあいつを横目で見たら耳が真っ赤だった。
だけど今の俺もこいつに負けないぐらい真っ赤だと思う。
遊びだったはずが本気になってた。
あの時あいつを選んだのは必然だったのかもしれないと今頃思う。
夏が終わって秋が来て・・、そうしてまたこの時期が来た。
真夏の太陽と恋が激しく燃え上がるこの時期が・・。
俺は今年も海に行って、カラオケに行って、たくさん遊びたい。
そういうところは変わってないんだ。でもただひとつ今年は、彼女はいらない。
だって、隣にはあいつがいるから。
女の友情(?)
さよなら My フレンド
君の笑顔が焼き付いた
カツコツとヒールの音が
誰もいない廊下に響く
1歩ずつ進むたびに
カウントダウンは縮んでいた
この廊下の先にはあの娘がいる
私の親友だったあの娘がいる
Oh,Myフレンド
君と私は道を別れた
Aa,Myフレンド
2人の道はもう交わることなどないのだろう
この扉のむこうにはあの娘がいる
血に染まりすぎて狂ってしまったあの娘がいる
Oh,Myフレンド
君は狂って壊れた
Aa,Myフレンド
君は優しすぎたんだね
扉を開けて銃をかまえる
照準は君の心臓に合わせて
Oh,Myフレンド
君はこちらに振り向いた
Aa,Myフレンド
銃をかまえた手が震える
振り向いた君は
まだ2人が親友だった頃の笑顔で
「ごめんね」と謝って
「ありがとう」とつぶやいた
Oh,Myフレンド
視界が滲んで君が見えない
Aa,Myフレンド
引き金を引いて君の命を終わらせる
「さよなら Myフレンド。」
赤い鮮血が部屋に飛び散って
君が倒れる
瞳から一筋 水が流れた
Oh,Myフレンド Aa,Myフレンド
あのころの2人にはもう戻れない
返り血が温かいのは君が生きていた証
私が君の命を奪った証
誰もいない廊下に響く
1歩ずつ進むたびに
カウントダウンは縮んでいた
この廊下の先にはあの娘がいる
私の親友だったあの娘がいる
Oh,Myフレンド
君と私は道を別れた
Aa,Myフレンド
2人の道はもう交わることなどないのだろう
この扉のむこうにはあの娘がいる
血に染まりすぎて狂ってしまったあの娘がいる
Oh,Myフレンド
君は狂って壊れた
Aa,Myフレンド
君は優しすぎたんだね
扉を開けて銃をかまえる
照準は君の心臓に合わせて
Oh,Myフレンド
君はこちらに振り向いた
Aa,Myフレンド
銃をかまえた手が震える
振り向いた君は
まだ2人が親友だった頃の笑顔で
「ごめんね」と謝って
「ありがとう」とつぶやいた
Oh,Myフレンド
視界が滲んで君が見えない
Aa,Myフレンド
引き金を引いて君の命を終わらせる
「さよなら Myフレンド。」
赤い鮮血が部屋に飛び散って
君が倒れる
瞳から一筋 水が流れた
Oh,Myフレンド Aa,Myフレンド
あのころの2人にはもう戻れない
返り血が温かいのは君が生きていた証
私が君の命を奪った証
微妙な三角関係
あぁ、君の瞳に僕は映らない
あぁ、君の瞳に僕は映らない
だって「あいつ」しか映していないんだ
「あいつ」しか映らないんだ
あぁ、どうして「あいつ」なんだろう
あぁ、どうして僕じゃないんだろう
あぁ、どうして「あいつ」と僕は親友なんだろう
そうじゃなかったら奪えたのに・・・
あぁ、この夕暮れと一緒に僕も沈めばいいのに
そうしたらこんな思いしないのに
夕暮れの赤さは
「あいつ」を見る君の頬のようで
それを見るたび傷つく僕のようで
憎らしいよ
あぁ、君の瞳に僕は映らない
だって「あいつ」しか映していないんだ
「あいつ」しか映らないんだ
あぁ、どうして「あいつ」なんだろう
あぁ、どうして僕じゃないんだろう
あぁ、どうして「あいつ」と僕は親友なんだろう
そうじゃなかったら奪えたのに・・・
あぁ、この夕暮れと一緒に僕も沈めばいいのに
そうしたらこんな思いしないのに
夕暮れの赤さは
「あいつ」を見る君の頬のようで
それを見るたび傷つく僕のようで
憎らしいよ