白薔薇と黒薔薇の箱庭
気ままに更新。 気が向いたら自作の物を更新。 北の国の学生さんが送る日常日記。
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ストーカー話。身近な人に追いつめられてください。
捕らえらた 蝶は 逃げることなどできなくなった
落ちて墜ちて堕ちる
「(‥‥まただ。また誰かがついてきている。)」
志保はコンクリートを歩くスピードを速めた。
一定の距離をつかず離れずついてくる『誰か』。
どんなにスピードを上げてもついてくる『誰か』は志保の悩みの種だった。
フッと、ついてくる気配が消えたので顔を上げてみれば自分の家の前だった。
いつもこうだ志保の家に着くと『誰か』は必ず消える。
はぁと深くため息を吐いて家の扉を開けた。
次の日
いつものように学校に行き、教室に入る。
志保の席の隣では幼なじみの哲弥が本を読んでいた。
「おはよう哲。・・[悪と愛の関係]・・ずいぶん難しそうな本を読んでるね。」
「あぁ、おはよう志保。これかい?そんなに難しくはないよ。なかなかおもしろい本だ。読むか?」
「遠慮しとくわ。だって哲の【難しい】と私の【難しい】ってだいぶ違うんだもん。」
カバンからものを取り出して机にしまいながら、ハァとため息をつく。
哲弥は本にしおりをはさんで志保のほうを見た。
「また『誰か』か?」
「うん‥‥‥。」
志保がストーカーに遭っていることを知っている哲弥はなにかと志保を励ましていて、志保はそんな哲弥を心の支えにしていた。
「もう、ヤダ。」
「志保‥。」
毎日誰かによって見られているという恐怖に志保はストレスを感じていた。
日に日に蝕んでいく恐怖は志保をさらに傷つけていく。
志保はぼろぼろだった。
「もうヤダよぉ‥‥。」
「志保、大丈夫だ。俺がついてるから。」
「ひっ‥ぐ‥うぅ‥。」
泣き出す志保を哲弥は背中をさすりながらなぐさめた。
「‥‥よし、今日の夜にそいつを捕まえようぜ。」
「ふぇ?」
「だから捕まえるんだよ。『誰か』をさ!」
そうすればもう志保が泣くことはないだろ?と笑う哲弥。
志保は解決の糸口を見つけたことに心が温かくなるのを感じていた。
夜
哲弥の指示通りに公園の近くでぽつりと電灯に照らされながら立っていた。
「(哲弥、遅いなぁ)」
キョロキョロと辺りを見回しても哲弥の姿は見えない。
しかし今は夜なのだから見えなくても仕方がないと、志保は諦めた。
そのとき
コツコツコツ‥‥‥
足音が響いた。
ゆっくり近づいてくる足音はいつもついてくる『誰か』のものとそっくりだった。
「(そんな!哲弥が来る前にきちゃうなんて!!)」
志保は焦って隠れる場所を探す。
しかしこの公園は隠れられるようなものはなく、志保はさらに焦った。
「(どうしよう!!)」
わたわたとしていたとき、ちょうど花壇を見つけた。
志保は急いでその後ろに回った。
ひょこりと少しだけ顔をのぞかせれば公園に誰かが入ってきた。
暗いので顔はわからない。
公園をいくらか見渡したその人物は志保のいる花壇に真っ直ぐ向かってきた。
「(なんでこっちにくるの!?どうしよう逃げられない)」
バクバクと志保の心臓が激しく動く。
ゆっくりと歩いてくる人物。
サク‥サク‥
ガタガタと震える体。
呼吸も思うようにできない。
迫りくる人影
サク‥サク‥
志保はギュッと目をつぶった。
「志保‥‥?」
名前を呼ばれて顔を上げた。
「て、つ‥‥。」
電灯に照らされた哲弥がそこにいた。
「やっと見つけた。待ち合わせ場所に志保がいないんだもんなぁ。びっくりしたよ。」
「私もびっくりした。」
「‥‥なんで?」
「あそこで哲を待ってたんだけど、『誰か』の足音がして急いで隠れたの。もうすごく怖かったんだから。」
「どうして『誰か』の足音だってわかったの?」
「哲には言ったこと無かったっけ?私ね、足音が聞き分けられるの。絶対に間違ったりしないから、それでね。」
哲に会えた安心から、激しく動いていた心臓も落ち着いてきた。
志保はふぅと深呼吸をしてもう一度哲弥を見た。
哲弥はふぅとため息を吐いた。
「計算外だよ‥‥。」
「哲?」
「まさか志保にそんな特技があっただなんてね。」
「ねぇどうしたの哲‥‥。」
哲弥の様子がおかしい。
志保は哲弥の言葉に疑問を持った。
「(計算外?‥‥‥どういうこと?)」
志保の特技を計算外だとつぶやいた哲弥。
待ち合わせに遅れてきた哲弥。
『誰か』と足音が一緒だった哲弥‥‥。
「‥‥!!」
志保が哲弥から距離をとろうとして離れる。
「逃がさない‥‥。」
しかし哲弥に腕を捕まれてしまった。
「離して!」
「やっとつかまえた。」
暴れる志保を押さえつけて薬品のしみこんだハンカチを志保の鼻に当てる。
「即効性の睡眠薬だ。」
「ふがっ!‥‥んん!‥‥‥‥。」
ばたりと志保の手が哲弥から滑り落ちる。
眠ってしまった志保を抱きかかえて哲弥は歩き出した。
「最後の最後で志保にはばれちゃったけど、なんとか捕まえられたよ。それにしても予想外だったな。まさか足音を聞き分けられるなんてね。」
にこりと嬉しそうに笑って志保を見る。
そして耳元でそっとつぶやいた。
「志保はもう逃げられないよ‥‥‥。ずっと一緒にいようね。‥‥‥‥フフフフフ。」
捕まえられた蝶はもう逃げられない。
もう空を見ることなどできない。
檻の中で主人に愛をつぶやくことしか許されないのだから。
さぁ志保、俺と共に落ちて墜ちて堕ちよう?
落ちて墜ちて堕ちる
「(‥‥まただ。また誰かがついてきている。)」
志保はコンクリートを歩くスピードを速めた。
一定の距離をつかず離れずついてくる『誰か』。
どんなにスピードを上げてもついてくる『誰か』は志保の悩みの種だった。
フッと、ついてくる気配が消えたので顔を上げてみれば自分の家の前だった。
いつもこうだ志保の家に着くと『誰か』は必ず消える。
はぁと深くため息を吐いて家の扉を開けた。
次の日
いつものように学校に行き、教室に入る。
志保の席の隣では幼なじみの哲弥が本を読んでいた。
「おはよう哲。・・[悪と愛の関係]・・ずいぶん難しそうな本を読んでるね。」
「あぁ、おはよう志保。これかい?そんなに難しくはないよ。なかなかおもしろい本だ。読むか?」
「遠慮しとくわ。だって哲の【難しい】と私の【難しい】ってだいぶ違うんだもん。」
カバンからものを取り出して机にしまいながら、ハァとため息をつく。
哲弥は本にしおりをはさんで志保のほうを見た。
「また『誰か』か?」
「うん‥‥‥。」
志保がストーカーに遭っていることを知っている哲弥はなにかと志保を励ましていて、志保はそんな哲弥を心の支えにしていた。
「もう、ヤダ。」
「志保‥。」
毎日誰かによって見られているという恐怖に志保はストレスを感じていた。
日に日に蝕んでいく恐怖は志保をさらに傷つけていく。
志保はぼろぼろだった。
「もうヤダよぉ‥‥。」
「志保、大丈夫だ。俺がついてるから。」
「ひっ‥ぐ‥うぅ‥。」
泣き出す志保を哲弥は背中をさすりながらなぐさめた。
「‥‥よし、今日の夜にそいつを捕まえようぜ。」
「ふぇ?」
「だから捕まえるんだよ。『誰か』をさ!」
そうすればもう志保が泣くことはないだろ?と笑う哲弥。
志保は解決の糸口を見つけたことに心が温かくなるのを感じていた。
夜
哲弥の指示通りに公園の近くでぽつりと電灯に照らされながら立っていた。
「(哲弥、遅いなぁ)」
キョロキョロと辺りを見回しても哲弥の姿は見えない。
しかし今は夜なのだから見えなくても仕方がないと、志保は諦めた。
そのとき
コツコツコツ‥‥‥
足音が響いた。
ゆっくり近づいてくる足音はいつもついてくる『誰か』のものとそっくりだった。
「(そんな!哲弥が来る前にきちゃうなんて!!)」
志保は焦って隠れる場所を探す。
しかしこの公園は隠れられるようなものはなく、志保はさらに焦った。
「(どうしよう!!)」
わたわたとしていたとき、ちょうど花壇を見つけた。
志保は急いでその後ろに回った。
ひょこりと少しだけ顔をのぞかせれば公園に誰かが入ってきた。
暗いので顔はわからない。
公園をいくらか見渡したその人物は志保のいる花壇に真っ直ぐ向かってきた。
「(なんでこっちにくるの!?どうしよう逃げられない)」
バクバクと志保の心臓が激しく動く。
ゆっくりと歩いてくる人物。
サク‥サク‥
ガタガタと震える体。
呼吸も思うようにできない。
迫りくる人影
サク‥サク‥
志保はギュッと目をつぶった。
「志保‥‥?」
名前を呼ばれて顔を上げた。
「て、つ‥‥。」
電灯に照らされた哲弥がそこにいた。
「やっと見つけた。待ち合わせ場所に志保がいないんだもんなぁ。びっくりしたよ。」
「私もびっくりした。」
「‥‥なんで?」
「あそこで哲を待ってたんだけど、『誰か』の足音がして急いで隠れたの。もうすごく怖かったんだから。」
「どうして『誰か』の足音だってわかったの?」
「哲には言ったこと無かったっけ?私ね、足音が聞き分けられるの。絶対に間違ったりしないから、それでね。」
哲に会えた安心から、激しく動いていた心臓も落ち着いてきた。
志保はふぅと深呼吸をしてもう一度哲弥を見た。
哲弥はふぅとため息を吐いた。
「計算外だよ‥‥。」
「哲?」
「まさか志保にそんな特技があっただなんてね。」
「ねぇどうしたの哲‥‥。」
哲弥の様子がおかしい。
志保は哲弥の言葉に疑問を持った。
「(計算外?‥‥‥どういうこと?)」
志保の特技を計算外だとつぶやいた哲弥。
待ち合わせに遅れてきた哲弥。
『誰か』と足音が一緒だった哲弥‥‥。
「‥‥!!」
志保が哲弥から距離をとろうとして離れる。
「逃がさない‥‥。」
しかし哲弥に腕を捕まれてしまった。
「離して!」
「やっとつかまえた。」
暴れる志保を押さえつけて薬品のしみこんだハンカチを志保の鼻に当てる。
「即効性の睡眠薬だ。」
「ふがっ!‥‥んん!‥‥‥‥。」
ばたりと志保の手が哲弥から滑り落ちる。
眠ってしまった志保を抱きかかえて哲弥は歩き出した。
「最後の最後で志保にはばれちゃったけど、なんとか捕まえられたよ。それにしても予想外だったな。まさか足音を聞き分けられるなんてね。」
にこりと嬉しそうに笑って志保を見る。
そして耳元でそっとつぶやいた。
「志保はもう逃げられないよ‥‥‥。ずっと一緒にいようね。‥‥‥‥フフフフフ。」
捕まえられた蝶はもう逃げられない。
もう空を見ることなどできない。
檻の中で主人に愛をつぶやくことしか許されないのだから。
さぁ志保、俺と共に落ちて墜ちて堕ちよう?
END
久しぶりにまともな話を書いたらと思えばストーカーネタ!!
しかも犯人が幼なじみってどうするのさ!
やべぇよ!やべぇよ綺羅!!!
もうわけわかんねぇよ!
次はもっと明るい話にしたいです。
つか、この話全然夏らしくない(反省)
しかも犯人が幼なじみってどうするのさ!
やべぇよ!やべぇよ綺羅!!!
もうわけわかんねぇよ!
次はもっと明るい話にしたいです。
つか、この話全然夏らしくない(反省)
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