白薔薇と黒薔薇の箱庭
気ままに更新。 気が向いたら自作の物を更新。 北の国の学生さんが送る日常日記。
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薔薇の花言葉シリーズ second~黄~
マヌケなお前
なぁ、その花の花言葉、
ちゃんとわかって渡しているんだろうな?
黄色い花のブーケ
何気なく教室の窓から下を見ていると、校門のほうから校舎へ走ってくる人影を見つけた。時計の針はもう少しで30分を示すところだ。見慣れた人影もまた時計を見て顔を真っ青にしている。
「(しいなの奴、だいぶ焦ってるな。)」
スピードを上げて走る人影・・しいなは、この話の主人公であり高みの見物をしているユノのクラスメイトだ。
中学1年の春にクラスが一緒になってからずっと同じクラスで、今年の春、めでたく高校までもが一緒になり、さらにクラスも一緒になったいわば腐れ縁だ。
そしてそこまでクラスが一緒になればおのずと話す機会もできるわけで、友達以上親友未満が二人の状態でもある。
「(あ~あ~急いじゃって周りが見えてないよ。そんなに急ぐと・・・・・・あ、こけた)。」
ズザァァと真正面から倒れたしいな。
(今時のマンガでもそんなおきまりのこけ方はしないよ。)とユノはあきれつつも心配そうにしいなを見つめた。むくりと起きあがった彼女はまた走り出したが残念なことにチャイムが鳴った。生徒指導室行き決定となったしいなを視界の端に入れつつ教壇にのぼった担任の話にユノは耳をかたむけることにした。
昼休みの時間、ユノはしいながいるだろう屋上に足を運んだ。重たい扉を開けたら風が吹き抜けてユノの髪をさらった。明るく照らされたそこにはグテ~~っとしたしいながいた。
「説教地獄からお帰り、おマヌケしいな。」
「今日はたまたまだもん。」
「そのたまたまだもんって言葉はもう5回目なんだけどな。」
「・・・朝なんか嫌いだ。」
「しいなは低血圧だからな。」
くくっと喉を鳴らして笑うと不機嫌な猫のような目が俺を見た。頬をふくらませて口先をとがらせるしいな。おいおい、その顔は反則だろうが。ハァと息を吐いて、不機嫌なこの猫の頭をなでてやった。
「悪かったよ。ほら、弁当のおかずを分けてやるから機嫌直せ。」
弁当をちらつかせるとしいなの目が輝いた。(単純な奴・・。)だけどその単純な奴に惚れた俺も単純なのかもしれない。(認めたくないけどな。)
もぐもぐと俺の弁当のおかずを食っていくしいなはふと思い出したように俺を見た。
「今日ってさ。」
「(なんだ?)」
「ユノの誕生日だよね。」
「あ~・・そんな気もするな。」
「なっ!!自分の誕生日にその台詞!?だめだよ、ちゃんとお祝いしなきゃ!!」
「つっても俺の両親はただいまアメリカで動物を追いかけてますが。」
「しいながプレゼントを持ってユノの家に押しかけるから!!」
「しいながプレゼント?・・変なもん持ってくるなよ。」
「ひどっ!!」
「ひどくねぇ!俺の中2の誕生日にダイナマイトを送りつけてきたのはどこのどいつだと思ってやがる。」
俺の言葉にしいなが「うっ」と詰まらせた。そう、記憶にまだ新しい中2の誕生日、しいなは俺の家にこれでもかと言うほどダイナマイトを送りつけてきた。段ボール一杯に詰められたダイナマイト。使い道など全くなく、仕方ないのでアメリカで動物たち(猛獣)を追いかけている両親に送った。しいなのプレゼントでマシなものはなく(俺限定)去年は日本刀だった。(危うく銃刀法違反で少年院行きになるところだった!!)
「今回は普通のものだもん!!」
「どうだかな。」
「(カチン)絶対喜ばせてやる!!」
「が~んば~って~。」
ヒラヒラと片手を振るとバタンと音を立てて扉が閉まった。
そしておかずが全くなくなった弁当に手をつけた。
ピンぽーん
『・・・。』
「(むかっ)。」
ピンぽーん ピンぽーん
『・・・。』
「(イラッ)。」
ピンぽんピンぽんピンぽんピンぽんピンぽんピンぽんピンぽんピンぽんピンぽんp『だぁぁああ!!わかった!!今開けるから連打するんじゃねぇ!!』
「(・・勝った!)」
ガチャっとドアノブが回り扉が開いた。ドアの隙間からひっじょーにびみょーな顔をしたユノが見える。
「マジで来たのかよ(嬉しいけどピンぽん連打しやがって)。」
「有言実行が目標ですから(連打されたくなかったらとっととでやがれ)。」
「ま~なんだせっかく来たんだしあがっていくか?」
「いいよ。プレゼント持ってきただけだし。」
ハイっと渡されたのは
「は・・・な?」
「そうだよ、まともでしょ?」
「そりゃ、まともだけど・・。」
渡されたのはブーケ。別に花は嫌いじゃない。さらに花の色は俺の好きな黄色。なおさら文句なしだ。・・・だけど、こいつはこの花の意味を知っているのだろうか。黄色い薔薇の花言葉を。
・・・。絶対知らないだろうな。どうせ「ユノは黄色が好きだから黄色のお花にしてみましたぁ~。」とかなんとか言うんだろうな。
「なぁ、この花を選んだ理由って・・。」
「ユノは黄色が好きだから黄色のお花にしてみましたぁ~。」
「(やっぱり。)」
「って言うと思った?」
しいなの言葉にしいなを見た。
おちゃらけた目ではない
女友達でもない
「女の子」の目をしたしいながいた。
「し、いな?」
「そのブーケの意味、『友情』じゃないから。」
「ちょっ、それって!!」
「じゃあね!!バイバイ!」
「おい・・!!しいな!!」
走り去るしいなはだんだん小さくなっていった。
だけど走り去る時に見えたしいなの耳は真っ赤だった。
『そのブーケの意味、『友情』じゃないから。』
さっきのしいなの台詞が頭の中で木霊する。
「っっっあああ~~!!なんなんだよ~。」
黄色いバラ
その花言葉は
「あなたに恋してます」
「可愛い顔してやることが大胆だぞ~。」
意味がわかったユノもまた扉の前で赤くなった顔を冷ましていた。
友達以上親友未満の二人の関係が変わるのは
もう少し先のお話・・・・。
なぁ、その花の花言葉、
ちゃんとわかって渡しているんだろうな?
黄色い花のブーケ
何気なく教室の窓から下を見ていると、校門のほうから校舎へ走ってくる人影を見つけた。時計の針はもう少しで30分を示すところだ。見慣れた人影もまた時計を見て顔を真っ青にしている。
「(しいなの奴、だいぶ焦ってるな。)」
スピードを上げて走る人影・・しいなは、この話の主人公であり高みの見物をしているユノのクラスメイトだ。
中学1年の春にクラスが一緒になってからずっと同じクラスで、今年の春、めでたく高校までもが一緒になり、さらにクラスも一緒になったいわば腐れ縁だ。
そしてそこまでクラスが一緒になればおのずと話す機会もできるわけで、友達以上親友未満が二人の状態でもある。
「(あ~あ~急いじゃって周りが見えてないよ。そんなに急ぐと・・・・・・あ、こけた)。」
ズザァァと真正面から倒れたしいな。
(今時のマンガでもそんなおきまりのこけ方はしないよ。)とユノはあきれつつも心配そうにしいなを見つめた。むくりと起きあがった彼女はまた走り出したが残念なことにチャイムが鳴った。生徒指導室行き決定となったしいなを視界の端に入れつつ教壇にのぼった担任の話にユノは耳をかたむけることにした。
昼休みの時間、ユノはしいながいるだろう屋上に足を運んだ。重たい扉を開けたら風が吹き抜けてユノの髪をさらった。明るく照らされたそこにはグテ~~っとしたしいながいた。
「説教地獄からお帰り、おマヌケしいな。」
「今日はたまたまだもん。」
「そのたまたまだもんって言葉はもう5回目なんだけどな。」
「・・・朝なんか嫌いだ。」
「しいなは低血圧だからな。」
くくっと喉を鳴らして笑うと不機嫌な猫のような目が俺を見た。頬をふくらませて口先をとがらせるしいな。おいおい、その顔は反則だろうが。ハァと息を吐いて、不機嫌なこの猫の頭をなでてやった。
「悪かったよ。ほら、弁当のおかずを分けてやるから機嫌直せ。」
弁当をちらつかせるとしいなの目が輝いた。(単純な奴・・。)だけどその単純な奴に惚れた俺も単純なのかもしれない。(認めたくないけどな。)
もぐもぐと俺の弁当のおかずを食っていくしいなはふと思い出したように俺を見た。
「今日ってさ。」
「(なんだ?)」
「ユノの誕生日だよね。」
「あ~・・そんな気もするな。」
「なっ!!自分の誕生日にその台詞!?だめだよ、ちゃんとお祝いしなきゃ!!」
「つっても俺の両親はただいまアメリカで動物を追いかけてますが。」
「しいながプレゼントを持ってユノの家に押しかけるから!!」
「しいながプレゼント?・・変なもん持ってくるなよ。」
「ひどっ!!」
「ひどくねぇ!俺の中2の誕生日にダイナマイトを送りつけてきたのはどこのどいつだと思ってやがる。」
俺の言葉にしいなが「うっ」と詰まらせた。そう、記憶にまだ新しい中2の誕生日、しいなは俺の家にこれでもかと言うほどダイナマイトを送りつけてきた。段ボール一杯に詰められたダイナマイト。使い道など全くなく、仕方ないのでアメリカで動物たち(猛獣)を追いかけている両親に送った。しいなのプレゼントでマシなものはなく(俺限定)去年は日本刀だった。(危うく銃刀法違反で少年院行きになるところだった!!)
「今回は普通のものだもん!!」
「どうだかな。」
「(カチン)絶対喜ばせてやる!!」
「が~んば~って~。」
ヒラヒラと片手を振るとバタンと音を立てて扉が閉まった。
そしておかずが全くなくなった弁当に手をつけた。
ピンぽーん
『・・・。』
「(むかっ)。」
ピンぽーん ピンぽーん
『・・・。』
「(イラッ)。」
ピンぽんピンぽんピンぽんピンぽんピンぽんピンぽんピンぽんピンぽんピンぽんp『だぁぁああ!!わかった!!今開けるから連打するんじゃねぇ!!』
「(・・勝った!)」
ガチャっとドアノブが回り扉が開いた。ドアの隙間からひっじょーにびみょーな顔をしたユノが見える。
「マジで来たのかよ(嬉しいけどピンぽん連打しやがって)。」
「有言実行が目標ですから(連打されたくなかったらとっととでやがれ)。」
「ま~なんだせっかく来たんだしあがっていくか?」
「いいよ。プレゼント持ってきただけだし。」
ハイっと渡されたのは
「は・・・な?」
「そうだよ、まともでしょ?」
「そりゃ、まともだけど・・。」
渡されたのはブーケ。別に花は嫌いじゃない。さらに花の色は俺の好きな黄色。なおさら文句なしだ。・・・だけど、こいつはこの花の意味を知っているのだろうか。黄色い薔薇の花言葉を。
・・・。絶対知らないだろうな。どうせ「ユノは黄色が好きだから黄色のお花にしてみましたぁ~。」とかなんとか言うんだろうな。
「なぁ、この花を選んだ理由って・・。」
「ユノは黄色が好きだから黄色のお花にしてみましたぁ~。」
「(やっぱり。)」
「って言うと思った?」
しいなの言葉にしいなを見た。
おちゃらけた目ではない
女友達でもない
「女の子」の目をしたしいながいた。
「し、いな?」
「そのブーケの意味、『友情』じゃないから。」
「ちょっ、それって!!」
「じゃあね!!バイバイ!」
「おい・・!!しいな!!」
走り去るしいなはだんだん小さくなっていった。
だけど走り去る時に見えたしいなの耳は真っ赤だった。
『そのブーケの意味、『友情』じゃないから。』
さっきのしいなの台詞が頭の中で木霊する。
「っっっあああ~~!!なんなんだよ~。」
黄色いバラ
その花言葉は
「あなたに恋してます」
「可愛い顔してやることが大胆だぞ~。」
意味がわかったユノもまた扉の前で赤くなった顔を冷ましていた。
友達以上親友未満の二人の関係が変わるのは
もう少し先のお話・・・・。
fin
ちょっっ!!まじ誰かほめて!!!
今回のは上手くいってる方(だと思う)からまじめにコメント求めます。
やべぇ物書きとしての階段を半分登ったかも・・・。
補足・・黄色いバラの花言葉
友情/あなたに恋をします/嫉妬/薄れゆく愛情
「あなたに恋します」と「薄れゆく愛情」・・なんかだいぶ矛盾してない?
えぇと、こんかいは「あなたに恋します」を「あなたに恋しています」と現在形から現在進行形に変えていますが大目に見てください!!
あと、各サイトによって花言葉も違ってくるようなのでここに書かれたものを100%信じないで下さい。(気になる人は自分で調べましょう)