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白薔薇と黒薔薇の箱庭

気ままに更新。 気が向いたら自作の物を更新。 北の国の学生さんが送る日常日記。

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薔薇の花言葉シリーズ 3.5~黒~

気づいていた

いずれこんな日が来ることを



エゴに沈んで


彼に病になったと、
不治の病だと、
そう告げたときの彼の瞳は
捨てられた子どものように
危なく
そして
脆く弱々しく見えた。

そのときは
あまりにも
いつもの彼とは
違いすぎて、
気のせいだと
そう、思うことにした。


ただ今になって
あの時なにかおこしていたら
こんなにも
彼が壊れることは
なかったのかもしれない。
そう、思う。



ピンと張りつめた弦が切れるように、
それは前触れもなく起きた。


部屋を出ていた彼が戻ってきた。
暗く影を落とした瞳、
手の中には銀のナイフ。

私は悟った。
己の終わりを。



彼はすぐ側まできた。
そして口を開いた。

「僕のものなのに、
勝手にきえないで。」

ただ一言。

それはまるで
小さな子どもの
我が侭のよう。
いや、
彼は
幼い子どもそのもの。

ただ違うことは
寂しさと不安を
大人の理性で、
繋いでいること。

彼の心は
ゆらゆら揺れるジェンガのように
危なくて
縄の吊り橋より
崩れやすかった。



キラリとナイフが光った。

鮮血が空を舞う。



あら、
ずいぶんとまあ
泣きそうな顔。


薄れていく世界の中、
私は

やすらかに

優しく

悲しげに

笑った。


最後に見たのは
白い床を染めていく朱に、
銀ナイフを持って
涙を流す彼の顔。



そう、これは
彼のエゴ。
だけど
私はそんな我が侭にすら
命をかける。

それが
アイデンティティ。

それが私の
クレイジーで
ホットな
アイデンティティ。





どうしようもなく意味不明。
なにがしたいのだろう。
わけわかんねぇや。
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